ある乗客が表現したように、この船は海に浮かぶペトリ皿だった。船内では、感染者数が700人を超え、7人の死者を出すことになった。

 さらに驚くべきことに、乗組員はウイルスに感染した船からの上陸を認められた際に特に隔離されず、日本人の乗客は公共交通機関で帰宅することが許された。

 間違いだらけの危機管理と言えば、日本には前科がある。

 1995年の阪神淡路大震災の時には、政府の支援の手が届くのがあまりに遅かったため、ヤクザが炊き出しを行ったほどだ。

 ダイヤモンド・プリンセスへの対応においても官僚組織は混乱していた。自国民の乗客がいる欧州諸国の大使は、日本政府の誰と連絡を取ればよいのか分からないとこぼしていた。

 危機の間に姿が見えなかった安倍氏については、腕が落ちたのではないかと訝る声がファンの間から漏れた。

 それまでびくともしなかった内閣支持率は急落した。

 コロナウイルスだけでなく自分の評判へのダメージも封じ込めようと、安倍氏は2月27日、指導力を発揮し、すべての学校に対して4月まで休校するよう求めた。

 また3月初旬には、最悪の事態に備え、政府が非常事態宣言を出すことを可能にする法案作成にも着手した。緊急支援策も打ち出している。