医師からの報告によれば、日本では欧米と異なり、普通のインフルエンザの患者数が急減している。過去数年との比較だけでなく、この冬の前半と比べても減っているという。

 日本でのインフルエンザによる死者が2018年には3300人だったことを考えれば、ここ数カ月間で熱心に説かれた予防策は、COVID-19の犠牲者をはるかに上回る数の命を救ってきたのかもしれない。

 だがそれでも、ここ数日は社会のストレスが表出している。

 東京では、マスクを手に入れようと薬局にやってきた買い物客の行列で小競り合いが生じた。トイレットペーパーのパニック買いが各地で始まり、店の棚が空になった。

 公衆トイレのトイレットペーパーに自転車用の盗難防止チェーンが巻かれている写真まで広まった。

 ゴールディングの『蠅の王』には遠く及ばないものの、日本のように行儀の良い国では非常に異例な現象だ。

 その原因は、普段は主張がはっきりしている安倍晋三首相の政府に対する疑念がわき起こったことに求められる。

 そもそも、首相の問題は前述のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から始まったようだ。

 乗客乗員3700人の中にCOVID-19の感染者(いずれも海外で感染)がいることが分かった時に取られた隔離策はお粗末だった。