3月2日、参議院予算委員化で質問に答える加藤勝信厚生労働大臣(写真:つのだよしお/アフロ)

(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)

 8日朝、「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ)に出演した加藤勝信厚労相は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、3月15日以降も引き続き大規模イベント等の自粛を要請していく可能性について示しました。

懸念される期末前の大リストラ

 筆者はこの番組を見ていて、がっかりしました。ぜっかく加藤厚労相自らがテレビ出演して取材に応じたにもかかわらず、何を示したいのかよく理解できなかったからです。大規模イベントの自粛継続を要請していくことだけは分かりましたが、どのように事態を収束させるのか具体的なプランは明示されませんでした。

 これまでのイベント自粛要請や学校の一斉休校要請などで、国民生活に深刻な影響を与えると同時に、経済的なマイナス面も徐々に露わになってきています。

 すでに、誰も2週間で収まるなど思っていないでしょう。予定通りにオリンピックが開催できるなど思っている人も少数派になってきているのではないでしょうか。

 であるならば、国民生活を守るための対応も考えていかなければなりません。まずはウイルス感染をいかに防ぎ、どのように収束させるのかマイルストーンの公開を急がなくてはいけません。そうでもしてもらわないと、急速な景気失速と企業経営悪化の回復の展望が見えません。ひいては、私たち国民の雇用状況にも深刻な影響が及びかねません。

 政治家や公務員は休職になっても報酬は補償されます。しかし、会社員はそうはいきません。とくに危険なのは非正規社員です。期末を前にリストラの嵐が吹き荒れることを心配しています。