2020年2月29日、ホワイトハウスで行われた記者会見でのドナルド・トランプ米大統領(写真:ロイター/アフロ)

 米CNBCやロイター通信などの報道によると米アマゾン・ドット・コムは、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、米国内の不要不急の出張を控えるよう社員に要請したという。

 また、同社のワールドワイド・オペレーション担当上級副社長のデーブ・クラーク氏は、これとは別の社内連絡で、出張を伴うグループ会議を当面見合わせるよう通知。少なくとも、会社が状況や影響を十分に把握する4月末まで延期するよう求めたという。

 アマゾンはこれまで、中国への不要不急の渡航を原則禁止とし、感染地域から戻ってきた社員には2週間の在宅勤務を薦めていた。

 こうした中、最近は米国内でも感染拡大のニュースが大きく報じられるようになった。2月27日には、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が、同日までに州内での新型コロナウイルスの検査で33人から陽性反応を確認したと発表。8400人以上を経過観察の対象にしていることも明らかにした。

 ドナルド・トランプ米大統領は2月29日、新型コロナウイルスの感染者が米国内で初めて死亡したと発表。ワシントン州のジェイ・インズリー知事は州の非常事態を宣言した。

フェイスブック、渡航制限とイベントの中止

 米フェイスブックも新型コロナウイルスの感染拡大を受け、さまざまな措置を取っている。例えば1月28日には、中国への不要不急の渡航を原則全面禁止とし、現地で働く従業員や最近渡航した従業員に対して在宅勤務を指示したと報じられた。広報担当者は「十分な用心のため、従業員の健康と安全を守る措置を取った」と述べたという。

 2月27日には、カリフォルニア州サンノゼで5月5~6日に開催する予定だった開発者会議「F8」の中止を発表。担当幹部は、「極めて重要なイベントであるが、開発者やパートナー、社員など全員の健康と安全を優先しなければならない」と述べた。