(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年2月25日付)

イスラエル兵に向かってパレスチナ国旗を振り抗議する人々(ヨルダンバレーで、2月29日、写真:ロイター/アフロ)

 夜、身体を横たえてあれこれ考え、隣国の一部を併合することを夢見たことはないだろうか。もしあったとしても、それは特に珍しいことではない。

 ピュー・リサーチ・センターが先日行った世論調査によれば、自国の国境に満足していないヨーロッパ人はかなりの数に上る。

「本当は自分たちの領土なのに隣国の一部になっている」土地があるかとの質問に、ハンガリー人の67%はイエスと答えた。

 ギリシャ人では60%、ブルガリア人とトルコ人では58%、ロシア人では53%、ポーランド人では48%がそれぞれ「ある」と述べた。

 そのような思いは西欧の人々にも潜んでおり、スペイン人では37%、イタリア人では36%、そしてドイツ人でも30%が「ある」と答えている。

 平時であれば、この種の見解はそれほど問題にはならない。

 例えばハンガリー人が、彼らから見れば領土の3分の2を失うことになった1920年のトリアノン条約について嘆くことはあり得るものの、その奪回を現実的な解として考えることはない。

 危険なのは、今が平時ではないことだ。