経済問題については、サンダース氏は誤解されている。

 まず同氏は、企業に好きに事業活動をさせ、社会を良くするためにその利益に課税する北欧型の愛らしい社会民主主義者ではない。

 米国型の資本主義は強欲だから徹底的に弱体化させる必要があるとの考えの持ち主だ。

 そして、企業の株式の20%を労働者に分け与える、連邦政府による就職保証制度を導入する、大企業には連邦政府発行の認可証の取得を義務づけ、取得の条件としてすべてのステークホルダー(利害関係者)のために行動させる(具体的に何をするかは、大統領が決められる)といった施策を提案している。

 英国労働党を先日まで率いていたジェレミー・コービン氏も顔負けの内容だ。

 貿易面では、少なくともトランプ氏と同じくらい、市場の開放に敵意を抱いている。政府の歳出は倍増させたいと話しているが、どうすればその財源を確保できるかは示せていない。

 失業率が記録的な低水準にあり、労働市場の最下位25%の名目賃金が4.6%のペースで増えているこの時期に、経済に革命を起こそうというサンダース氏の主張は、米国を悩ませている問題への処方箋としては恐ろしくお粗末だ。

 手段よりも目標を優先する際に、サンダース氏は聖書に登場する「正しい者」の狭量さを露呈する。

 貧困の削減、国民皆保険の導入、経済の脱炭素化といった完璧に理にかなった目標を掲げているが、それを達成するために打ち出す政策案においてはこれ以上ないほど極端で理不尽な手段を主張する。