新型ウイルス感染拡大で閑散としたサンフランシスコのチャイナタウン

カリフォルニア州で緊急事態宣言

 新型コロナウイルスがついに米本土に上陸した。

 ドナルド・トランプ大統領にことごとく対立する「民主党王国・カリフォルニア」の4つの郡(カウンティ行政区)は独自に緊急事態宣言を出した。

 ギャビン・ニューサム同州知事は、感染がさらに拡大すれば州全土に緊急事態宣言を発令する構えを見せている。

 2月27日現在、カリフォルニア州で感染が確認されたケースは33件。すでに8400人がモニター(健康観察)対象となっているが、モニタリング機材の不足が指摘されている。

 緊急事態宣言を出したオレンジ郡内にはディズニーランドや「二刀流」の大谷翔平選手が所属するエンジェルズの根拠地アナハイムがある。

 同郡で出た新型ウイルス感染者は目下のところ武漢を旅行したことのある居住者1人。

 だが、世界中からの観光客があるディズニーランドがある。中国や韓国からの潜在的感染者がやって来る。

 郡当局としては「ドル箱」のディズニーランドを閉鎖する前に「わが方は目を光らせているんだぞ」という強いメッセージを発信する意図がある。

 一方、サンフランシスコには、市のシンボルで観光スポットのチャイナタウンがある。中国人移民が住み着き、中国との人的交流がこれほど密接なところは米国にはない。

 目下のところ感染は確認されていないが、いつ感染者が出ても不思議ではない。

 一年中、観光客で賑わうチャイナタウンだが、新型ウイルスのお陰で観光客は激減しており、今は閑散としている。