(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年2月20日付)

2月19日に米ネバダ州ラスベガスで開かれた民主党の大統領候補者による討論会。左がマイケル・ブルームバーグ氏、右がバーニー・サンダース氏(写真:ロイター/アフロ)

 惨事の始まりはしばらく前から目に見えている。それがスローモーションで展開される大惨事の性質だ。残念ながら、早送りのボタンを押すことはできない。

 19日夜にラスベガスで行われた民主党のテレビ討論会は、ここまでで最も意地悪なものとなり、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長は明らかに敗北を喫した。

 だがそれでも、この大統領候補者指名争いはどこかの時点で、ブルームバーグ氏とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)の戦いに集約されることになりそうだ。

 選挙資金を自分の懐から捻出している高齢の億万長者と、高齢で頑固な社会主義者によるゼロサムの戦いを友好的な休戦に導く経路はほとんどない。

 逆に、両者が衝突に至る経路は数多く存在する。

 一方が他方を圧倒するパターンを除けば(そうなる可能性は非常に低い)、民主党にとってハッピーエンドとなる展開はほとんど考えられない。

 サンダース氏の選挙運動と2016年のドナルド・トランプ氏の選挙運動が似ているとの指摘は的を射ている。

 どちらの側にも、ソーシャルメディアでの嫌がらせや誹謗中傷を喜んで実行する好戦的な支持者がいる。

 最近行われたある世論調査によれば、ブルームバーグ氏が大統領候補に指名された場合、本選挙で同氏に投票するサンダース支持者はせいぜい半分だという。