(英エコノミスト誌 2020年2月22日号)

アップルのiPhoneとiPad

投資家はテックラッシュが終わったと思っている。その判断は早計だ。

 2018年のこと。シリコンバレーの辞書に「テックラッシュ」という単語が新たに加わった。

 ビッグテックと称される巨大ハイテク企業が消費者や規制当局からの「バックラッシュ(反発)」に遭うリスクを意味する言葉だ。

 今では、まるで空虚な脅威に見える。

 規制当局は新たなルールの導入を検討しており、活動家はプライバシーの権利について不安を募らせているものの、米国のハイテク大手5社の株価はここ12カ月間で52%も上昇し、衝撃的な高騰を演じている。

 この間に記録された市場時価総額の増加分は5社合計でほぼ2兆ドル。理解するのが難しい数字だが、ドイツの株式市場全体のそれにほぼ匹敵する規模だ。

 そのうちの4社――アルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、マイクロソフト――の市場時価総額はそれぞれ1兆ドルを超えている(フェイスブックのそれは6200億ドルにすぎない)。

 ボストン、ロンドン、シンガポールの資産運用会社は、テックラッシュがいくら話題になっても、ただ肩をすくめ、買い進んだ。

 この5社はこれから計り知れないほどの富を得る運命にある、何者もビッグテックを止めることはできないとの読みからだ。

 こうした巨大ハイテク企業の株価高騰を受け、2つの懸念が浮上している。