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(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)

 神戸市立東須磨小学校の教員間暴行・暴言問題で、市教育委員会は、2月中に加害教員4人を懲戒処分にする考えを明らかにしました。19日の市議会文教こども委員会で説明しました。本事件の場合、懲戒処分の内容が重要であることは言うまでもありません。厳罰を求める声が大きいですが、学校の就業規則に懲戒の種別及び事由を定めておくことが必要です。就業規則に書いていない事由で懲戒処分を受けた場合、処分は無効となります。また、就業規則に書かれていても教員に周知されていなければ同様に無効になります。

懲戒解雇になるとどうなるのか

 すでに、ネットでは話題にのぼっていますが、「解雇」について混同している記事が多いので簡単に整理をしてみます。解雇は使用者による労働契約の解除を指します。解雇は一般的に「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇(懲戒免職)」の3つに分類されます。

「諭旨解雇」は特殊な位置づけになります。懲戒解雇に相当するか、それよりも少し軽い非行・違法行為があった場合に、懲戒解雇を回避するために自主的に退職を求めるものだからです。懲戒解雇は労働者にとって死刑判決ですが、諭旨解雇は使用者と労働者の双方が話し合い解雇処分を受け入れるものです。

 諭旨解雇であれば退職金が支払われることがありますが、懲戒解雇の場合は退職金などは支給されません(退職金規程の記載が必要)。公務員は雇用保険に加入しないため、失業保険の給付もありません。懲戒免職処分を受けた日から2年間は、国家公務員もしくは当該地方公共団体の地方公務員として就職することができません。