(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年2月17日付)

2月18日、ドイツのカーニバルに登場したアンゲラ・メルケル首相の人形。手にはスウェーデンの活動家グレタさんをかたどったマトリョーシカを持っている(写真:AP/アフロ)

 アンゲラ・メルケル独首相の後継争いについて興奮するのは非常に難しい。

 何しろ最有力候補3人のうち、1人は今年最も激しかった台風が女性名だったことが面白いと思っている。

 もう1人は隠れ気候変動否定論者だ。そして3人目は、首都ベルリンのレストランで人が英語を話しているのを聞くのが大嫌いだ。

 1人目のフリードリヒ・メルツ氏は、2002年に与党キリスト教民主同盟(CDU)の党内権力闘争でメルケル氏に敗れた後、政界の一線を退いた。

 ようやく復帰したのは1年あまり前で、その時はCDU党首選でやはり女性のアンネグレート・クランプカレンバウアー氏に敗れている。

 ノルトライン・ウェストファーレン州の州首相を務めるアルミン・ラシェット氏はトーク番組で、なぜ気候変動が政治的な課題の一番上に据えられたのか理解できないと語った。

 州内では、新しい石炭火力発電所の建設を委託したばかりだ。

 そして3人目のイェンス・シュパーン保健相は、おおむね政治思想が右寄りの層だけにアピールする超保守派で、この有権者層に向けてベルリンのカフェでドイツ語だけを話すよう呼びかけている。

 筆者としては、国が直面する問題と、これらの問題に対処するために形成されるかもしれない政治連合の観点から未来のドイツ政治を見た方が示唆に富んでいるように思える。