観光スポットとして人気のソウル市内の徳寿宮の王宮守門将交代儀式も、新型コロナウイルスに備えるため、伝統的衣装にマスク姿で行われている(写真:ロイター/アフロ)

(李 正宣:ソウル在住ジャーナリスト)

<植民地総督か>
<内政干渉するな>
<大使のくせに生意気だ>

 2月4日、連合ニュースのある記事に、約5000回の「腹が立つ」ボタンのクリックと、3200件ほどのコメントが殺到した。ほとんどのコメントが、上記のような露骨な非難だった。

 今年の1月、対北朝鮮個別観光をめぐってハリー・ハリス駐韓米国大使が「米国との協議が必要」と主張した時、関連記事には似たようなコメントが殺到したが、今回の主人公はハリス大使ではなく、中国の邢海明新任大使だった。批判コメントが殺到したのは、この邢海明大使の発言を紹介した記事だ。

(参考記事)韓国、「母が日本人だから」で米国大使を批判の噴飯
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59059

感染防止のため卒業式に保護者参加できず

 中国・武漢で発生した新型肺炎は韓国でも2月5日午後9時現在、19人の感染者が出ており、韓国国民を不安にさせている。

 感染者が訪れた映画館、免税店、病院などが続々と「一時閉店」となっているが、それだけではない。ソウルのM小学校は、生徒の父兄が映画館で感染者の隣に座っていたことが判明すると、それを理由に一週間の休校に突入してしまった。さらにM小学校周辺の学習塾街では、M小学校の児童らは当面、出席しないよう通知。そのうえなんと、M小学校の近くのY小学校も休校に突入した。映画館で感染者の隣に座っていたM小学校の父兄とY小学校の父兄が接触したことが確認されたからだ。