(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年2月5日付)

ボリス・ジョンソン首相は合意なき離脱へ向かおうとしているように見える

 ボリス・ジョンソン英首相は、自治への異常なこだわりがある。

 そのこだわりとは、英国は文字通り自分の両足を撃って自ら災いを招く主権を持っているだけでなく、もし別の道が自国の問題について欧州連合(EU)の機関に何らかの役割を与えることだとすれば、自ら両足を撃つ義務もある、という信念だ。

 ブレグジット(英国のEU離脱)は自治を意味すると首相は主張する。

 もし、この要求を貫くのであれば、英国は来年早々、47年かけて築き上げた通商関係の完全な破綻に見舞われる公算が大きい。

 英国政府は4日、EUとの交渉に向けた要求を提示した。残念ながら、その要求は3つの点で非現実的だ。

 1つ目は、どんな合意も「対等な主権者」同士の合意になるという希望。

 2つ目は、EUがカナダ式の協定に合意するという考え。

 そして3つ目は、世界貿易機関(WTO)のルールに基づくオーストラリアとEUの関係が妥当な代替策になるという考えだ。

 国際法の問題として、英国は主権国だ。だが、主権は国力と同じではない。