(英エコノミスト誌 2020年2月1日号)

英国のボリス・ジョンソン首相(2月3日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

英国が大海原に単独で漕ぎ出した今、ボリス・ジョンソン首相には何らかの指針が必要になる。リベラリズムが1つの指針になるはずだ。

 1月31日の午後11時を迎えても大した変化は起きなかった。

「平和、繁栄、そしてすべての国々との友好」と刻まれた新しい50ペンス硬貨が、欧州連合(EU)からの英国の離脱を記念して市中に出回り始めるものの、英国とEUの間のヒト、モノ、サービスの行き来は引き続き自由に行われる。

 貿易と移住について新しい協定をとりまとめる困難な作業が、今年の年末まで続く移行期間に先送りされたためだ。

 とはいえ、EUからの離脱はやはり一大事だ。

 英国が離脱するのは欧州の単一市場を統治する公的機関であり、必然的に、英国からの輸出のほぼ半分が行き先としている国家連合との貿易摩擦の増加が見込まれる。

 また、英国の国民はEU域内で生活・就業する権利を自動的に得ていたが、これもなくなる。

 ブレグジットは英国自体にもショックをもたらしてきた。この問題について激しい議論が長期にわたって続けられ、エリートの支配層も痛手を被った。

 そうした過程を経てもたらされた議論の余地のない結果が、ここ30年間で最も強力なボリス・ジョンソン政権だ。今後の展開の大半は、このジョンソン氏がいかに対応するかにかかっている。