(英エコノミスト誌 2020年2月1日号)

中国武漢で発生した新型コロナウイルスの流行は世界中が警戒している。写真は香港の肉を売る店子。マスクで感染を予防している(1月30日、写真:AP/アフロ)

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おそらくなる。しかし、どの程度深刻になるかは公衆衛生サービス次第の面もある。

 新型の感染症に人々がこれほど不安を抱く理由は2つある。

 第1の理由は、その当初の広がり方が急激であることだ。

 数十人だった患者が数百人に、数百人が数千人に増えていくと、計算が独り歩きし始め、公衆衛生の崩壊や社会・経済的な大変動、そして死者を伴うパンデミック(世界的に大流行する伝染病)の憶測が生まれる。

 第2の理由は、不確実性が非常に大きいことだ。

 データが少ないうえに、いろいろな報告の間に矛盾が見られるケースもあることから、科学者も最悪の事態に至る可能性を排除できず、おぞましい情報がさらに広がる展開になる。

 中国を襲った新型コロナウイルス「2019-nCoV」の場合も同じことが起きている。

 報告された患者の数は1月20日には282人だったが、それからわずか9日間でほぼ7800人に膨れ上がった。

 中国本土以外で報告された患者の数も、同じ時期に4人から105人(世界19国・地域の合計)に急増した。

 どのように感染するのか、感染すると何%の割合で死に至るのかといった病気の基本的な性質をめぐって疑問が飛び交う。