(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年1月28日付)

改修中のビッグベンを見上げるEU残留支持派の人(ロンドンで1月22日、写真:ロイター/アフロ)

 一部の人から独立記念日と見なされているものにしては、記念行事は明らかに控えめだ。

 英国が欧州連合(EU)から離脱する1月31日のブレグジットの日は、英首相による演説と記念硬貨のほか、国旗や赤、白、青のライトアップ、パーラメントスクエアでのパーティーで記念されるが、7月4日(米国独立記念日)とは違う。

 時差も都合が悪い。英国は、英国時間ではなく、ベルギー時間の深夜零時にEUを去る。

 インドの初代首相は、「深夜零時ちょうど、世界が眠っている時に、インドは生命に目覚める」という厳かな言葉で独立を称えた。

 英国は「午後11時ちょうど、国の多くの人が通常グレアム・ノートンの番組を見ている時に・・・」といった言葉で間に合わせなければならない。

 ボリス・ジョンソン首相はブレグジット疲れの波に乗って選挙で勝利を収めた。

 同氏の勝利が議論から熱気を奪い去ったスピードは、国全体が止めていた息を吐くのを待っていることを示唆している。首相の演説はこのため、必然的に祝賀ムードに包まれるとはいえ、分裂に終止符を打とうとするだろう。

 もちろん、自分が勝った時の方が相手に寛大になるのは容易だが、首相はこの瞬間が、英国が前に進み、多大なダメージをもたらしたゼロサム政治を乗り越える機会だということを知っている。

 それだけに、このチャンスをつかみそうにないのは残念だ。