イランから弾道ミサイル攻撃を受けたイラクにある米軍の駐留施設(写真:ロイター/アフロ)

 米軍が、イラン革命防衛隊司令官を殺害し、その5日後にはイランが、在イラク米軍基地に弾道ミサイル攻撃でやり返した。

 その混乱の直後、ウクライナの航空機が地対空ミサイルで撃墜された。

 この時、メディアの関心事項は、「イランが、ミサイルでウクライナ機を撃墜したのかどうか、そしてこれを認めるかどうか」がだった。

 だが、この事態で最も注目すべきことは、ミサイルを撃ち合えば、たったの5日間という短い期間で、戦争へと拡大するという危機が発生したことだ。

 本格的な戦争に突入するのであれば、その準備に半年~数年はかかる。

 今回、イラン軍は、米軍基地に弾道ミサイルを撃ち込んだために、イラン国内に向けられる米軍の更なる反撃、早ければその日の内に実施されることを予想して、慌てて本格的な戦争準備を行わなければならなかった。

 米軍の早い反撃を考えると、その準備期間は、5日しかなかったのだ。

 イラン軍が民間機を撃墜してしまったのは、イランが慌てて米軍の反撃の備えなければならない、戦争に発展するかもしれないための準備が不十分であったことなどの原因が重なったからであろう。

 では、短期間で全面戦争に発展しそうな事態が、日本周辺で発生する可能性はあるのだろうか。

 現実として「朝鮮半島問題で生起する」可能性は十分ある。