(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年1月21日付)

中国の経済成長の象徴ともいえる上海の夜景

 筆者は1990年代初頭に初めて中国を訪れ、その後の中国の変貌ぶりはまだ、驚嘆の源泉になっている。

 中国の富と力と名声は、上海の地平線に新しい超高層ビルが立つのと同じような速さで高まっていった。

 この時期を通して、中国の奇跡はもうすぐ終わると予想する懐疑論者が常にいた。

『The Coming Collapse of China(迫り来る中国崩壊、2001年刊)』といったタイトルの書籍が定期的に出版され、同じくらい定期的に間違っていることが証明された。

 筆者自身の見方は常に、中国の台頭は本物で、今後も台頭が続き、世界を塗り替える、というものだった。

 これについて『Easternisation(邦題:イースタニゼーション―台頭するアジア、衰退するアメリカ)』と題した著書まで書いた。

 だが、筆者は疑念を抱き始めている。

 それは中国経済の成長が今、ほぼ30年ぶりの低さに落ち込んだためではない――もっとも、実際に成長は鈍っている。また、香港での反乱のためでもない――ただし、これも理由の一端ではある。

 次第に強まる懐疑的な気持ちの根本的な理由は、習近平国家主席を取り巻く個人崇拝の確立だ。