(英エコノミスト誌 2020年1月18日号)

1月12日、イランの首都テヘランでハメネイ師などイラン指導部への抗議活動をする人々(写真:AP/アフロ)

 イラン革命防衛隊(IRGC)では、ウクライナの旅客機が墜落した件で狼狽するあまり、いっそ死にたいと口走る幹部が2人もいた。

 そのうち1人は当の組織のトップだった。

 体制の親衛隊にあたるIRGCは1月8日、首都テヘランの上空でこの民間機を誤って撃墜し、そのミスを隠蔽しようとした。

 謝罪の言葉を口にしたのは墜落の数日後、幹部らの嘘がばれた後のことだった。

 しかし、その後悔の念は長続きしなかった。

 数千人の市民が怒りを表明しに街頭に繰り出すと、IRGCは群集を押し返す部隊を派遣。警棒での制圧に失敗した隊員の一部は発砲に及んだ。

 抗議行動が武力で鎮圧されることは以前にもあった。直近では昨年11月に行われており、当局が数百人を殺害している。

 だが、人々の怒りの根底にある経済面の不安と政治面の停滞について、現体制は解決策を一切講じていない。

 そのため、不満を抱く庶民が増えるにつれ、次から次へと危機に見舞われる。