(英フィナンシャル・タイムズ紙 2020年1月10日付)

中国・北京の天安門広場

 在スウェーデン中国大使館のウエブサイトに過去1年間に掲載された公式発表の3分の2近くは、スウェーデンのジャーナリスト、政治家、およびその他有名人への個人攻撃で占められている。

「スウェーデンに住む人々の一部は、中国国民の感情を傷つけたり中国側の利益を損なったりした後に安心できると考えるべきではない」という一文などは、あまり穏やかではない脅し文句の典型だ。

 在スウェーデン中国大使館はここ1年あまり、中国の新しい「戦狼式外交」の最も攻撃的な見本になっている。しかし、ここだけがそうだというわけでは決してない。

 この好戦的な姿勢を理解するカギは、「習近平思想」を構成する政策と優先事項にある。

 習近平国家主席はおびただしい数の演説や公的文書の中で、「中国の特色ある社会主義思想」が自由、民主、人権という「極めて悪い」概念を掲げる「西側の反中国勢力」と激しい闘争を繰り広げていると論じている。

 1950年代に旧ソビエト連邦の指導者ニキータ・フルシチョフが、ソ連が西側資本主義の民主主義国を「埋める」と発言したことはよく知られている。

 中国の習氏は2013年以降、次のような言い方をしている。

「資本主義は必然的に滅び、社会主義が必然的に勝利する・・・これは歴史の発展過程における、後戻りすることのない一般的な趨勢である」

 習氏の言う闘争は、冷戦時代のそれのような純粋なイデオロギー・キャンペーンというよりは、中国での独裁を恒久化させるための戦いであり、中国国内をその主戦場としている。