1月7日、ソウルの大統領府で2020年の年頭演説を行う文在寅大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(李 正宣:ソウル在住ジャーナリスト)

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の発足以降、悪化の一途を辿っている日韓関係の中、文在寅政権の教育部が、今年3月から日本の植民地時代を集中的に記述した8種類の新しい歴史教科書を中・高校教育課程に導入する。

 今回導入される歴史教科書は、昨年の11月に検定を通過し、今年の3月から入学する中学生と高校生たちに配布される。文在寅政権発足当時、朴槿恵(パク・クネ)政権の「国定教科書導入」決定を破棄した後、文在寅政権下の教育部が検定した名実共に文在寅政権初の教科書だ。

前近代氏が25%、近現代史が75%

 ところが、韓国メディアによると、文在寅政権の初の検定教科書は、数千年に至る前近代史(紀元前~朝鮮時代)の内容を25%に減らし、その代わりに200年足らずの近現代史(開港期~現在)の内容を75%に増やすなど、既存の教科書から大きく様変わりしているという。

 しかも、大幅に増えた近現代史の記述には、政権の志向性を最大限に反映した内容になっているとの批判が巻き起こっている。