(英エコノミスト誌 2020年1月4日号)

2019年6月29日、大阪で開かれたG20に参加したドナルド・トランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)

地球最大の関係決裂が進行中。そのコストは莫大なものになる。

 3年に及ぶ苦々しい貿易戦争を経て、米国と中国は1月15日、貿易交渉の「第1段階」の合意について署名を行う予定だ。

 関税率を引き下げる一方、米国産農産物の輸入増加を中国に義務づけるという内容の合意だ。

 だまされてはいけない。このささやかな協定では、世界で最も重要な外交関係が、リチャード・ニクソンと毛沢東による50年近く前の米中国交正常化の前以来最も危険な状況にあることを隠すことはできない。

 今や中国のハイテク権威主義が西側世界に脅威を突きつけていることは明らかだ。

 最先端を行く人工知能(AI)企業から新疆ウイグル自治区の強制収容所に至るまで、あらゆることが世界中に不安感を広めている。

 これと同じくらいはっきりしているのは、米国の対応に一貫性がないことだ。

 アイオワ州の大豆を買えと中国政府に要求したかと思えば、中国は国家主導の経済モデルをやめなければならないと主張するといった具合だ。

 かつては米中双方が共に繁栄できると思っていたが、今ではどちらも、自分は成功して相手は後れを取るというビジョンしか描いていない。

 両国の結びつきは、一部ではすでに崩壊しつつある。