(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年12月27日号)

壁に落書きされた米国のドナルド・トランプ大統領(オーストラリアのメルボルンで)

 仲間への献身という視点から、政治をスポーツになぞらえるケースが増えている。

 スポーツにしてみれば、これはとんでもない迷惑だ。

 本物のファンなら、ひいきのチームについて曲がりなりにも健全な懐疑を抱いている。酷評していると言ってもいい。

 片や盲目的な熱狂は、一生懸命ではあるが新参者のファンのしるしであることが多い。

 政治は違う。政党には大衆的な忠誠心――軽々しく信じ込んでしまう性質――を駆り立てる力がある。

 その能力においては、サッカーのマンチェスター・ユナイテッドやアメリカン・フットボールのニューイングランド・ペイトリオッツを大幅に上回るのだ。

 それが浮き彫りになる出来事が、つい先日もあった。

 ドナルド・トランプ大統領を弾劾訴追するか否かをめぐる米国連邦議会下院での採決で、賛否の別がほぼ正確に所属政党と一致した時のことだ。

 議員が参考にする一般の人々の意見を見ても、世論調査は、民主党支持者がほぼ全員訴追に賛成し、共和党支持者はほぼ全員が反対していたことが分かる。