(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年12月23日付)

政策コンファレンスに登壇した米大統領選の候補者だったカーリー・フィオリーナ氏(2017年2月24日、写真:ロイター/アフロ)

 米ヒューレット・パッカードの元最高経営責任者(CEO)で、共和党から大統領選挙に出馬したこともあるカーリー・フィオリーナ氏が先週、米国の実業界で一般的な偽善を口にしてニュースになった。

 ドナルド・トランプ米大統領が弾劾されることは「不可欠」だと述べながら、「民主党が誰を擁立するか」によっては、トランプ氏に投票する可能性を排除しなかったのだ。

 フィオリーナ氏は恐らく、エリザベス・ウォーレン上院議員が民主党の指名候補になる可能性に言及していたのだろう。

 フィオリーナ氏のような人が、富の再分配を唱える進歩系の政治家にアレルギー反応を示す理由は理解できる。

 だが、法人税の減税や規制緩和の約束のためにトランプ氏を支持した財界人は、勝ち目のないゲームに興じている。

 また、彼らは、米国の競争力に関する米ハーバード大学ビジネススクール(HBS)の新たな報告書で研究された、企業と政治のぎこちないダンスにも参加している。

 もっと正確に言えば、この報告書は、米国の中長期的な成長見通しに関する悲観論から企業と労働者の命運の分断、減退する米国の財政状況、スキルキャップまで、すべての現象にはっきり見て取れる競争力の欠如に焦点を絞っている。

 数千人のHBS卒業生(グローバルな一流経営幹部のかなりの部分を占めている人々)を対象にした8年間の調査研究に基づく報告書は、米国の競争力低下の大きな理由として政治的な機能不全を挙げている。

 米国は様々な政治思想を持った人がやるべきだと考えていること――つまりインフラに投資し、教育改革を進め、才能のある移民が米国で暮らし、働くことを容易にする、といったこと――をやらなかったために、史上最長の景気回復期を「無駄」にした。