(写真はイメージです/写真AC)

 仮想通貨のバブル崩壊により半導体価格が暴落。厳しい状況におかれている韓国経済だが、弱体化に歯止めをかけることはできるのか? 2020年の経済動向を経済評論家の渡邉哲也氏が予測する。(JBpress)

(※)本稿は『世界と日本経済大予測2020』(渡邉哲也著、PHP研究所)より一部抜粋・再編集したものです。

韓国経済の台所事情

 2019年7月18日、韓国銀行(中央銀行)は政策金利を1.75パーセントから1.50パーセントへ電撃的に引き下げた。利下げは2016年6月以来、3年1カ月ぶり。これは景気減速に対する韓国の危機感を如実に示すものといえる。

 2017年11月、2018年11月と基準金利を0.25パーセントずつ引き上げていたが、これは半導体メモリーが空前の好況で、国内経済も回復基調が続いていたことによる。

 ところが2018年後半になると半導体市況が悪化。「アメリカの利下げを待って利下げを行なうのでは?」という見方があったが、電撃的に利下げを行なわざるをえなかった台所事情に、韓国の苦しさが現れている。

 それだけではない。半導体市場で中国から追い上げられているという長期的な問題に加え、日本による輸出規制の強化によって打撃を受け、経済の弱体化が著しい状態になっているという背景がある。