(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年12月20日付)

英国の国旗を掲げる兵士

 英国は過去75年間の大半を、国際社会における野心を経済力の低下に合わせることを避けようとして奮闘してきた。

 この過程は、相対的な衰退の管理と表現されることがある。

「実際の体重より重い階級のリングに上がる」という言い方を好む向きもある。

 例えば、防衛問題の研究者をつかまえて、なぜ英国は戦略核ミサイル「トライデント」を更新しているのか、近年になって空母を2隻も就役させたのはなぜなのかと尋ねてみればいい。

 その答えは、「national prestige(国家の威信)」という2単語に集約されるだろう。

 英国民の集団記憶には、1940年の孤立が不気味によみがえっている。

 この国は帝国気取りをやめるのを頑なに拒むゆえに、国内で経済の弱体化と戦いつつ、国外でも地政学的バランスの決定的な変化と戦ってきた。

 大いなる野心を実力に合わせて縮小するには、いくつかの経済危機が必要になるというのが通例になっている。

 欧州連合(EU)からの離脱、すなわちブレグジットのショックは、そうした再評価を英国に再び強いることになるかもしれない。