安倍晋三首相自ら「4選」意欲を口にしたことはまだないが・・・(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

 年の瀬も押し迫ってきました。そこで今回は、大胆にも、来る2020年の日本の政治を占ってみたいと思います。

 来年の政治を分析する上で、押さえておくべき大きなテーマは3つあります。衆院の解散はあるのか、野党の再編は起きるのか、そして「安倍4選」はどうなるのか、です。

解散は「五輪後」じゃない可能性

 まず解散について。いきなりで恐縮ですが、解散はかなりの確率であると考えたほうが良いと思います。問題はその時期です。

 普通に考えれば、「オリンピック後」が大本命です。オリンピックで世界中から東京に人がやってくる。よほどの不手際や事件がなければつつがなく開催され、盛り上がり、政権支持率も上昇する。そのタイミングで解散、というわけです。

 ですが私は最近、「意外と早め、ともすれば年明け早々にも解散があるのでは」と感じ始めています。

 それにはいくつかの理由があります。

 1つは景気です。12月13日に発表された日銀短観を見ると、大企業製造業の景況感は2013年3月調査以来の低水準とのこと。大企業・製造業の業況判断指数は5ポイントも悪化しています。

 鉱工業生産指数も厳しい数字が出ています。12月13日に10月分の数字が発表されましたが、これを見ると、製造工業稼働率指数は前月比4.5%減、2015年を100とすると95.8になっています(季節調整済み指数)。後述する米中貿易摩擦の影響による需要減などが影響している模様です。

 また、国内消費の方も、消費増税の影響・増税前の駆け込み需要の反動などにより落ち込むと見る民間エコノミストが多く、この面からも来年の景気は厳しそうです。