(英エコノミスト誌 2019年12月14日号)

上海浦東の夜景

中国が深刻な貧困を脱して久しい。だが、中国に対する融資は世銀に大きな利益をもたらしている。

 カリブ海に浮かぶ島国のセントキッツ・ネービスは、ぜいたくな旅が楽しめる観光地であること(メリル・ストリープやオプラ・ウィンフリーも訪れる)、市民権が高額であること(1口15万ドルで売られている)、陸上短距離走の世界チャンピオンを輩出したこと(キム・コリンズ氏)で知られる。

 しかし、数多くの資産(1人当たり国民所得が1万8000ドルを超えることもその1つ)にもかかわらず、極度の貧困の撲滅を目標とする世界銀行から資金を借りる資格を持っている。

 非常に小さな島国の話だから、この指摘にコメントが集まることはほとんどない。

 中国はそうはいかない。

 中国の1人当たり国民所得はセントキッツ・ネービスの半分で、世銀から融資を受けられるポーランド、マレーシア、トルコその他15カ国のそれを下回る。

 だが、多くの米国人にしてみると、中国が世銀から資金を借りる資格を持つという事実は異常なことで、スキャンダルですらある。

 ドナルド・トランプ大統領もその1人だ。

 12月6日には「どうして世界銀行が中国にカネを貸しているんだ?そんなことがあり得るのか?」とツイートした。

 米国のライバルに対する期間5年の新しい融資枠組みを世銀が検討した後の発言だ。