各桁の数を印字する機械

 大学入試の1次試験に「記述式試験」が不向きであることを、この連載では客観データを参照していままで解説してきました。

 しかし、もう一つ重要な観点として「主観的な評価」を今回は検討してみたいと思います。

「主観評価? そんなもの、個人の勝手だろう! どうやって評価するのだ?!」とご指摘をいただくのは分かっています。

 これはつまり、皆さんご自身に「記述式試験」の問題を考えていただいて、それを通じて読者の方が100人あれば、100通りの異なる形で

「記述式試験を1次学力考査に採用など、あり得ない」ということを体感していただければというPBL(Problem-Based-Learning)の試みにほかなりません。

 以下では小学生に出題する問題を皆さんに考えていただくことから始めましょう。

問題 今年2019年も、様々なことがあったが、後残すところ3週間ほどになった。そこで、以下の計算が成立するよう(ア)から(エ)に入る、1桁の整数を決定してみよ。記述式の出題であるので、必ず答えに至る道筋も示すこと。

2019=(ア)×1001+(イ)×110+(ウ)×101+(エ)×1

(考え方)


答(ア)____(イ)____(ウ)____(エ)____

(2) この計算を考察して、気がつくことを記せ。

 この問題が問うていることが何であるかは、小学校の高学年生でも理解できると思います。