(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年12月2日付)

米国は見える壁、見えない壁を張り巡らそうとしているのか(写真は万里の長城)

 米国が経済的に世界からデカップリング(分離)していることをまだ疑っている人は、米商務省が先週打ち出した提案を見てみるべきだ。

 提案では、ウィルバー・ロス商務長官が、「国家安全保障の脅威」と見なされるどんな新技術の輸入も阻止できるようになる。

 この大まかな言葉遣いは、華為技術(ファーウェイ)の半導体や中国ドットコム企業だけに適用されるわけではない。

「外国の敵対者」と関係があると見なされた場合には、欧州のハードウエア、ソフトウエア、データサービスにも適用される。

「一帯一路」構想の一端を成す次世代通信規格「5G」の標準と技術を通じて欧州が中国の技術の軌道に引っ張り込まれている今、このような関係は十二分にあり得る。

 筆者は最近、戦略的に重要な米国ハイテク企業の幹部と話をした。

 この人物は、トランプ政権が制定した様々な制限措置のために、今では欧州企業の幹部と話をすることさえ法的に微妙になってきたと語っていた。

 これは恐ろしいことだ。なぜなら、国の安全と21世紀のデジタル経済における自国の地位の両方を確保するために米国が今できる最も重要なことの1つは、5Gや人工知能(AI)といった新しい技術の欧米共通標準について同盟国と協力し合うことだからだ。