(英エコノミスト誌 2019年11月30日号)

11月26日、アリババ集団は香港証券取引所に株式を上場した(写真:新華社/アフロ)

アリババ集団は米アマゾン・ドット・コムに狙いを定めている。

 どうしても物事を合理的に考えてしまう人は皆、中国で最も縁起の良い数字とされる「八」に対するアリババ集団のこだわりについて考えてみるべきだ。

 中国の電子商取引(EC)業界の巨人である同社は11月26日、香港株式市場での新株発行によって880億香港ドル(112億米ドル)を調達した。

 香港市場での銘柄コードは「9988」。下2ケタの「88」は「ババ」と読めるだけでなく、縁起の良さも2倍になることを意味している。

 取引開始のドラが鳴ると、株価は新株発行価格の176香港ドルから188香港ドルという幸先の良い水準に上昇した。

 運は確かにアリババに味方した。

 取引所にほど近い畢打街(ペダー・ストリート、19世紀に株式ブローカーが集まって売買を行った場所)では、夏の初めから反中国デモが盛んに行われており、催涙ガスのにおいが取引所の中にまで漂ってくることも時折あった。

 ところが、11月24日に実施された区議会選挙で民主派が地滑り的な勝利を収めた後は、混沌としていた状況が――一時的にではあるが――鎮静化していた。

 香港市場上場は、運のほかにも3つの利益をアリババにもたらした。