2019年4月13日に催された「桜を見る会」(写真:つのだよしお/アフロ)

 11月最終週、私は「桜を見る会」に関する原稿を、結果的に2度書き直したのですが、結局お蔵入りさせざるを得ませんでした。

 というのも、予定稿を入れても入れても、翌日にはそれを上回る不正が明らかになってしまい、数日前にやや大胆なつもりで記した内容が完全に色あせてしまったからにほかなりません。

 毎日、何らかの事実が明らかになり、あるいは発言や失言があり、その失言を取り繕う失言がさらに事態を悪化させて・・・という負のスパイラルが続き、現政権は完全に詰んでしまったように見えます。

「詰んだ」というのは、元特捜検事で弁護士の郷原信郎さんが採られた表現(https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ddf2592e4b00149f72942a7)を引用したものです。

 実際、進んでも退いてもこの政権はもたないことが、いまやまともにものを見る大人の目には明らかで、以下に詳述するように、事態はいまや「桜を見る会」疑獄事件と呼ぶべき段階に到達してしまいました。

 郷原弁護士には、大学の案件でもお世話になったことがあり、ご本人を存じ上げますが、実に気持ちよく冷静沈着に問題を解決されます。

 例えばこの「政府広報」(https://www.gov-online.go.jp/sp/gosokui/index.html)をご覧ください。

 令和元年10月23日、「皇位継承式典」の一環として、内閣総理大臣「夫妻」主催の晩餐会なるものが行われました。

 これに先立つ10月22日「即位礼正殿の儀」が行われたのち、宮中豊明殿で「饗宴の儀」と名づけられた会食が催されています。同様の「饗宴」は10月25、29、31日にも実施されている。

 その合間を縫うように23日、「外国元首」「各国祝賀使節」などを招待し、首相夫婦主催として開かれた「晩餐会」の会場が、ホテル・ニューオータニ「鶴の間」にほかなりません。