同氏が何度も繰り返す「ブレグジットを成し遂げる」という約束は、虚構であるのと同じくらい子供だましだが、2016年の国民投票でEU離脱に投票した人たちの不満にアピールする。

 だが、ジョンソン氏の切り札は、コービン氏だ。

 思い浮かぶ公共サービスすべてについての盛大な歳出増額と富裕層に対する懲罰的な増税、公益事業の国有化を盛り込んだ労働党の経済政策は、間違いなくポピュリストの琴線に触れる。

 保守党政権による10年間の緊縮財政の後、国内の全世帯に約束されている無料の超高速ブロードバンドを支持しない人がいるだろうか。

 それに、金利がゼロの時に老朽化したインフラに投資することは確かに合理的だ。

 だが、総合すると、労働党の提案はジョンソン氏の中途半端なブレグジットと同じくらい非現実的な政策パッケージになる。

 英国は開かれた国際経済の中で活動している。政府は、グローバルな市場と企業が厳しい増税と国家による民間企業接収に無関心でいることを期待できない。

 コービン氏の計画が持つ避けられない意味合いは、資本規制と輸入規制に固められた封鎖経済だ。英国は「一国社会主義」の狂気じみた実験に取り組む用意はできていない。