千葉県にある西印旛沼のオランダ風車

 千葉県佐倉市、JR佐倉駅のレールが水没し、日本の空の玄関、成田空港へのアクセスにも支障が出た洪水の現場を11月第1週の週末、つくば研究学園都市への道すがら、訪ねてみました。

 前回稿でも見たように、高崎川が「決壊」したと一部SNSなどで伝えられた地点、国道296号線と川が交差するベイシア電器近郊の橋では、堤防は決して決壊しておらず、低まった橋のたもとで越水していたらしいことが確認されました。

 でもこのあたりの標高は駅よりも低く、JR線路の冠水は説明がつきません。

佐倉駅の冠水ポイント、高岡橋

 そこで296号線を遡ってJRの陸橋を超え、やはり冠水が写真や動画でSNS上に報じられた、セブンイレブンやドミノピザのある交差点の付近を目指すことにしました。

 冠水した交差点近くの路上にはいまだ土が残っており、被害の規模が察せられました。

 このあたりの標高は7.9メートルほどあり、駅よりも十分高い立地になります。ここが溢れていたわけですから、駅の水没はこちらから水が流れたのかもしれません。

 水没した「大崎台」のT字路は、実は農業用水の上を跨ぐような立地になっています。

SNSで冠水が報告された交差点の真下は農業用水が走っていた

 浅く幅の狭い用水は、集中豪雨でたちまち一杯になり、路上に水が溢れ出したことが直ちに察せられます。

 用水は296号線に沿って走っているので、用水沿いに進むと、道路の立体交差と並行して水路は線路とぶつかります。

 ということは、そこから水が溢れた可能性がある。

農業用水からJRの線路を望む。左側に見えるのは線路をまたぐ立体交差

 私たちは水辺の道を線路まで歩いてみることにしました。

 しばらくすると用水に沿って調整池が現れ、立て看板に表示がありました。