(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年11月25日付)

金の延べ棒

 金に積極投資する「ゴールド・バグ(金の虫)」は常に、病的な心配性のように思えた。

 デジタル時代にあって物理的な金の延べ棒をため込むためには、本気で天が崩れ落ちてくると思っていなければならないからだ。

 だから今、一部の投資家と中央銀行家が金を盛んに持ち上げていることは、かなり心配になる。

 オランダ中央銀行は最近公表した記事で、もし通貨制度の大きなリセットがあるとすれば、「金のストック」が国際通貨制度を再構築する「基盤の役目を果たせる」と論じた。

 さらに「金は中央銀行のバランスシートの安定性への信頼を強め、安心感を生み出す」としている。

 だが、金の話をしても安心感は生まれない。

 著名投資家のレイ・ダリオ氏は最近、国際金融協会(IIF)の会議で、米国の財政状況に対する同氏の懸念のせいで金への逃避が起きる可能性に言及し、出席者を不安にさせた。

 これは目新しい論点ではない。