(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年11月22日付)

ドナルド・トランプ米大統領の弾劾問題は、マイク・ポンペオ国務長官にとって都合の悪いものになっている。
ウクライナに政治的な支援を強要する試みについて常に「情報を伝えられていた」ことが、ゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)大使の証言で明らかになっただけではない。
ポンペオ氏は崩壊しつつある米国外交政策の顔でもあるからだ。
一見別々に見えるこれら2つの世界――米国内でのトランプ氏の弾劾問題と、外国での出来事を米国がコントロールできなくなっていること――は実は同じコインの裏表だ。
そのコインの両面にポンペオ氏の顔が描かれている。
ソンドランド氏の証言までは、トランプ氏のために働いている人々は、大統領の個人的な顧問弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏がインチキな外交政策を実行していたという洗練されたフィクションを語ることができた。
もうこの手は通用しない。
ソンドランド氏によれば、ウクライナと取引する試みには、「大統領の明確な指示」によってポンペオ氏を含む全員がかかわっていた。