統合発表記者会見で握手するヤフーの川邊健太郎社長(左)とラインの出澤剛社長(筆者撮影)

(大西 康之:ジャーナリスト)

「ヤフー、LINE 包括提携」

 共同通信による衝撃のニュースが日本中を駆け巡った11月13日の夜から5日。Zホールディングス(ZHD=旧ヤフー)とLINEは18日、両社が経営統合で合意したことを発表し、同日午後5時、東京・品川のグランドプリンスホテル高輪で記者会見を開いた。

月間利用者6700万人と8200万人の経営統合

 ヤフーといえば、日本のネット企業の草分けだ。検索エンジンこそグーグルを使っているが、ニュース配信など、インターネットのポータル(玄関)サービスとしては国内で無類の強さを持ち、月間利用者は6700万人に達する。

 一方のLINE。韓国の検索大手NAVER(ネイバー)の子会社で、日本を代表するメッセージング・アプリとして知られる。若者の絶大な支持を背景に、8200万人の月間利用者を持つ。おじいちゃん、おばあちゃんと乳幼児を除けば、ヤフーとLINEを知らない日本人はない。この2社が経営統合するというのだから、ただ事ではない。16時40分に到着すると、すでに会場は超満員。後方にはテレビ局のカメラがずらりと並ぶ。

会場後方にはテレビカメラがずらり(筆者撮影)

ますます複雑化するソフトバンクグループ

 赤いロゴのヤフーと、緑のLINEが一緒になる。赤と緑でクリスマス。そう考えれば楽しげだが、資本関係を考えると頭が痛くなる。試しに、机に置かれたプレスリリースの一部を抜粋してみよう。

「本経営統合を実現するための取引の一環として、LINEは、本日付で、ZHDの親会社であるソフトバンク株式会社及びLINEの親会社であるNAVERコーポレーションより、LINEの普通株式、新株予約権及び新株予約権付社債の全てに対する公開買い付け及びその後の一連の取引を通じてLINEを非公開化する意向がある旨の意向表明書を受理しております」