11月8日、参議院予算委員会での安倍首相(写真:つのだよしお/アフロ)

(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

 毎年4月、新宿御苑にて開催される総理大臣主催の「桜を見る会」に、安倍晋三首相や閣僚らの地元後援会関係者らが多数招待されていた問題で、政権への批判が高まっています。

 今年9月に内閣改造を断行し、わずか1カ月半ほどの間に閣僚が2人も辞任に追い込まれるというダメージも癒えぬうちに、今度は安倍首相自身に「公金を使った後援会接待」の疑いがかけられている状況です。事態の着地点はまだ見えませんが、共産党をはじめとする野党の追求も鋭く、首相自身も関わる問題なだけに「モリカケ問題」 (森友・加計問題)ほどの騒動に発展する可能性も取り沙汰されています。

 しかし、私見では、現状を見る限り、政権が倒れるほどの問題に発展することはなさそうです。というのも、現在の安倍政権は、守りが非常に堅い権力構造を作り上げているからです。

桂太郎を抜いて首相在職日数が最長に

 11月20日、安倍首相の通算首相在職日数は、歴代最長だった桂太郎(2886日)を超えることになります。さらに、このまま安倍政権が続けば、来年夏には、佐藤栄作の7年8カ月の連続在任記録をも破ることになります。

 なぜ安倍首相はこれほど長期間、政権の座を独占することができたのでしょうか。その理由は、安倍首相のリーダーシップとかカリスマ性といった個人の資質よりも、「チーム安倍」とも言うべき組織のマネジメント力の高さにあるのではないかと私は睨んでいます。