(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年10月29日付)

 ロシアと英国の間に現在見られる深い確執は、両国の重要な類似点を覆い隠している。

 こうした類似点は、英国が欧州連合(EU)を離脱した後に明白になっていくだろう。それも英国とEUを心配させるような形ではっきり見えてくるはずだ。

 英国とロシアは欧州大陸の端に位置している。

 部分的にはその結果として、両国は伝統的に二重のアイデンティティーを持っている。自分たちのことを欧州の一員と見なすと同時に、それ以上の存在だとも思っているのだ。

 ロシア国土の80%近くはアジアに入っている。大英帝国は欧州の外に築かれ、英国は今も北米、オーストラレーシア地域、南アジアの「アングロスフィア(英語圏諸国)」と強い文化的な絆がある。

 このため、英国とロシアがEUの外に立つ二大欧州大国となる可能性が高いことは意外ではない。

 だが、英ロ両国とも集団としてのEUの力について心配し続けるだろう。

 周縁に位置する国として、両国は伝統的に欧州大陸を支配する単一国家の台頭を恐れてきた。これでナポレオン戦争と2度の世界大戦で両国が同盟を組んだ理由の一端が説明できる。