世界最高峰の大学の一つ英ケンブリッジ大学。

 どこかの政治家、でも行政に一定以上責任があるらしい方面が「身の丈に合った受験」という言葉を使って話をしたとかしないとか、そういう話が聞こえてきます。

 ここで言う「身の丈」というのは、経済状態を指す言葉です。あまりにもくだらなくて直接それに言及する価値はないのでここではそういう無駄は避けます。

 まず原則的なことですが、日本国憲法第26条1項

『26-1 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する』

 を引用しておきましょう。「すべての国民は」「その能力に応じて」つまり能力以外のいかなる要素にも束縛されず「ひとしく教育を受ける権利」を有します。

 そのため客観テストによる「能力試験」が実際される。入学試験に対する日本国憲法の基礎がここにあります。

 経済状況によって「ひとしく」なく教育を受けざるを得ないとしたら、憲法に抵触する、国民の権利の侵害にほかなりません。

 あれこれ、感情的な批判も目にしましたが、特にここで言うことはなく、単純に憲法違反ですから、それに応じた措置を取ればよい、以上終わりになります。

 私は大学入試を改革すること自体には、基本的に賛成です(同じような意味で、日本国憲法に手を入れることに、刑法の故・團藤重光先生は基本的に疑問をもっておられました)。

 しかし、改革は憲法と教育基本法の本質的な精神にのっとり何よりも平等に行われなければならない。