日本シリーズを屈辱の4連敗で終えたジャイアンツの原辰徳監督(写真:AP/アフロ)

 厳しい現実を突きつけられた。巨人は日本シリーズ第4戦で福岡ソフトバンクホークスに3―4で敗れ、7年ぶりの日本一を逃した。日本シリーズで1勝もできず4連敗を喫したのも球団史上、29年ぶりの屈辱だ。

 一矢報いることもないままシリーズを終え、自分たちの本拠地・東京ドームで歓喜の輪を作られた巨人側のショックは計り知れない。パ・リーグ2位からCS(クライマックスシリーズ)突破を果たし、この舞台へやって来た若鷹軍団の面々にセ・リーグ優勝チームであるはずの巨人はチーム力の差をまざまざと見せつけられた。5年ぶりに達成したリーグ優勝の余韻も一気に興ざめしてしまった感は否定できない。

「リーグ優勝の立役者」の丸にもバッシング

 この日本シリーズ4戦を振り返っても巨人の試合内容は余りにも淡白で寂し過ぎるものだった。守備の乱れなど細かいミスから傷口を広げ、つまらない失点も重ねた。レギュラーシーズン優勝の原動力となっていた坂本勇人内野手、丸佳浩外野手が日本シリーズで大ブレーキになると、自慢の攻撃力も一気に機能不全に陥って得点を奪えなくなった。

 ただ2人に関しては、これまでの大車輪の働きを考えれば、この日本シリーズだけで「戦犯」と言い切ってしまうのは酷のような気もする。特に日本シリーズで13打数1安打、打率0割7分7厘に沈んだ丸に関しては、昨年までの広島東洋カープ時代から言われ続けている「逆シリーズ男」の蔑称が再びネット上で取り上げられるなど散々な言われようだ。

 ついちょっと前までチームをリーグ優勝へ導いた救世主として崇められていたにもかかわらず、いざ結果を出せなくなると手のひら返しでアッと言う間にバッシングの対象となる。やっぱりこれもFA宣言から厚遇を保証され、巨人へ移籍して来た者の宿命と言えるのかもしれない。