(英エコノミスト誌 2019年10月5日号)

シリコンバレーのハイテク企業はスタンフォード大学(写真)と様々な産学連携を通じて新しい産業を創出してきた

ハイテク企業への規制攻勢の準備が整いつつある。

米国連邦議会の上院に提出されているその法案には、ソフトウエア開発業者のプログラム作成マニュアルのような文が並んでいる。

 ソーシャルメディアのユーザーがスマートフォンの画面を上にスワイプするとアプリがコンテンツを延々と表示していく「無限スクロール」は禁止する。

 動画の自動再生も同様に禁止する。また、ユーザーの利用時間を画面に表示させなければならず、1日当たりの利用時間の上限は30分を初期値とする――といった具合だ。

 10代の子供を持つ親は、あまり期待してはいけない。この「ソーシャルメディア依存軽減テクノロジー法(SMART)」の法案はおそらく議会を通らない。

 しかし、この法案が存在すること、それもミズーリ州選出の共和党上院議員ジョシュ・ホーリー氏がこれを提出したという事実は、大手ハイテク企業を取り巻く流れがワシントンで急激に変わったことを示している。

 この数十年間、ハイテク企業をほぼ好きなように行動させてきた末に、米国政府は反撃の準備を整えている。有権者もこの流れに乗っている。

 最近行われたある世論調査によれば、米国人の3人に2人は大手ハイテク企業の分割を支持している。

 大手ハイテク企業は戦々恐々だ。かつてはあまりベルトウェー(ワシントン政界の別称)に姿を見せなかった各社のトップも、最近ではすっかり常連になっている。