(英エコノミスト誌 2019年10月5日号)

中国の建国70周年を祝う軍事パレードに登場した新型ICBM「東風41」(写真:新華社/アフロ)

中国の国家元首は「共産党は決して間違いを犯さない」との主張で一触即発のナショナリズムをあおっている。

 10月1日に北京の天安門広場で行われた国慶節のパレードで最も目を見張った場面は、ほんの数秒しか続かなかった。

 それは、長安街という通りに面した記者席に陣取る筆者のすぐ近くを、米国内のどの都市でも攻撃できる恐ろしい新型核ミサイル「東風(DF)41」が通り過ぎた時だった。

 ミサイル本体とともに迷彩色に塗られたトレーラーがうなりを上げ、習近平国家主席をはじめとする指導者たちが居並ぶ紫禁城の大きな門に向かうと、あちこちの拡声器からアナウンスが鳴り響いた。

 姿の見えない声は、これらの兵器のおかげで中国は常に抑止力を保つことができ、従って平和も守ることができると説明した。

 アナウンスはそこで叙情的になり、これらのミサイルはまるで大きな竜で、世界を揺るがす一撃を与えるまで高く険しい山々や広大な海の中に身を潜めることができると謳われた。

 選ばれて会場に集まった人々からは、自ずと歓声が沸き上がった。

 こうした歓声には、共産党支配70周年を祝うこのパレードに込められた2つのメッセージが反映されている。

 第1のメッセージは、中国はここまで大きな軍事力を有している、もうどんな国も中国に逆らえばただでは済まないというもの。