ピンチの時、いかに上手に他人に頼るか

(人事・戦略コンサルタント:松本利明)

 こんにちは、人事戦略コンサルタントの松本利明です。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手のコンサルティング会社などで24年以上、人事と働き方の改革を行ってくる中で「おやっ!?」と思えることが実は多く発生してきました。

 実は、世間で言われる「セオリー」の9割が間違っているのです。思ったような効果が出ないのは、計算ミスより計算式そのものが間違っているのです。うすうす、あなたも気づいているのではないでしょうか?

「自分だけ」がピンチに直面した時

 ビジネスマンが間違いを犯しやすいタイミングの一つが、逆境から復活を狙う時です。「会社が潰れそうだ!」という緊急事態を乗り切ることは意外と難しくありません。やらなくてはサラリーマン人生や生活が吹っ飛んでしまうので社員一丸となって頑張れるからです。難しいのは、普通の時です。もっと言うと、「あなただけ」が追い込まれている状況です。

「本気を出せば、なんとかなる」なら、とっくに何とかなっています。眠れる獅子は目覚め方を知らないのです。

なかなか本気が出ない眠れる獅子

 それでもあなたは、努力でカバーしようとするかも知れません。「思考は現実化する」と信じて目標を立て、自分を奮い立たせ、モチベーションを高めてみるかも知れません。でも、上手くいかなければ、かえってショックは大きくなります。それに「目標設定→挫折」を繰り返してしまうと、周りからの信頼も、自己肯定感も地に落ちます。

 では、どうすればいいのでしょうか。ここは「他力」を上手に使いこなしましょう。私が過去に見てきた「リストラされた5万人」の大半は自力で逆境を乗り越えようとして失敗してきた人たちでした。逆に「選抜されたリーダー候補の6500名」は他力を活用して逆境を乗り越えてきた人々です。できる人材は他力を頼るのです。