(英エコノミスト誌 2019年9月28日号)

熱を下げるためには国民投票を再度実施する必要がある。
ブレグジットのウィルスに免疫がある英国機関は、もはや存在しない。
最高裁判所は9月24日、欧州連合(EU)離脱を目前に控えたこの時期に議会を閉会するようボリス・ジョンソン首相が女王に助言した時、女王自身が違法な行為を働くように仕向けられたとの判断を示した。
「民主主義の根幹」に対する今回の侵害について、政府は「適切な理由どころか、いかなる理由も提示しなかった」との判決を裁判官の全会一致で下した。
下院議員はその翌日、勝ち誇った様子で仕事に戻った。
ジョンソン氏が首相に就任してからの2カ月間は恐ろしくひどいものだったが、その中でもここ1週間はまさに最悪だった。
選挙の洗礼を受けていない首相はこれまであらゆる採決で敗北を喫したうえに、議会では過半数を失い、自ら率いる保守党の下院議員を何人も除名している。
最高裁の判決が出た後には、ニューヨークで開かれていた国連のサミットから呼び戻され、議会で難局に直面することになった。