(英エコノミスト誌 2019年9月21日号)

9月14日、ドローンによる攻撃を受けたサウジアラビアのアブカイクにある石油精製施設(写真:ロイター/アフロ)

核交渉を成功させようというのなら、イランは代償を払わねばならない。

 気候変動リスクを低減させるには、原油の生産を減らさなければならない。しかし、9月14日に行われたサウジアラビアへの攻撃には、リスク低減の効果など全くなかった。

 アブカイクにある石油処理施設とクライスの油田がドローンとミサイルの攻撃を受けたことで、サウジアラビアの原油生産量は日量570万バレル減少した。

 世界市場にとっては、1991年にサダム・フセインがクウェートに侵攻した時よりも大きな減少幅だ。

 クウェート侵攻は、35カ国から成る多国籍軍がバグダッドに進軍する事態に発展した。

 14日の攻撃は侵攻ではない。だが、世界の原油供給を6%も減少させた攻撃は、誰にとっても他人事ではない。

 9月末までに生産量を回復させるという約束をサウジアラビアがたとえ果たせるとしても、世界最大の石油輸出国からの供給は今や脆弱になってしまった。

 今回の攻撃については、イエメンでサウジアラビアと戦っている反政府武装組織フーシが犯行声明を出している。