(英エコノミスト誌 2019年9月14日号)

ブレグジットに反対を表明してデモする人(9月12日撮影、写真:AP/アフロ)

裁判所も巻き込まれるなか、英議会で否決された離脱協定案の代案提示の気配はまだない。

 欧州諸国の外交官は普通、英国の憲法にかかわる細かな動きを食い入るように見つめたりしない。

 しかし、最近では大変な関心を持って――それも、ますます懸念を強めつつ――英国議会を観察している。

 一部には、下院での裁決に6度破れたうえに、議会での多数派の地位、保守党議員のグループ、さらには2人の閣僚を相次いで失ったボリス・ジョンソン政権の混乱ぶりにほくそ笑む人もいる。

 しかし、「生きるか死ぬか」の覚悟で10月31日の欧州連合(EU)離脱を目指す、つまり合意なき離脱も辞さないジョンソン氏の強情さに警戒心を抱く向きも少なくない。

 混乱の一例は、合意なきEU離脱を受け入れるのではなく、離脱の延期をEUに認めてもらうよう交渉することをジョンソン首相に義務づける新法と関係している。

 離脱延期を求めるくらいなら「野垂れ死んだ方がましだ」という首相の発言は、法の支配に対する脅威だと見られている。

 もう一つの例は、議会下院が早々に閉会されたことだ。これは、議会による政府の精査を避けるためにすぎないと多くの人々に思われている。

 スコットランドで最も上級の裁判所が9月9日に下した判断は、この見方を裏づけたように思われた。