パラグアイ戦で躍動した大迫勇也と南野拓実。(写真:アフロ)

 カタールW杯へと続く、アジア予選(日本代表は2次予選から参加)がついに始まる。アジア杯、コパ・アメリカなど注目度の高い大会を戦い迎える森保ジャパンは、果たしてその目標である「W杯ベスト8」まで、正しい道のりを歩んでいるのだろうか。スポーツジャーナリストの井川洋一氏による寄稿。(JBpress)

森保監督はベスト8に向けて前進しているのか

 初の世界8強に手が届きかけてから1年と2カ月。ロシアW杯のラウンド16でベルギーに劇的な逆転負けを喫した日本代表はその後、森保一監督が指揮を執り始めた。西野朗前監督に続く日本人指揮官に託されたのは、言うまでもなく、2022年W杯で日本代表を初めてベスト8に導くことだ。

 4年サイクルの4分の1が過ぎた今、その歩みは着実に進んでいるように見える。

 森保監督が「あっという間」に過ぎたと振り返るこの一年余り、日本代表は多くのことを経験した。新監督は中南米勢との3つの親善試合を3連勝でスタートさせ、そのなかにはひとつ前の4年サイクルの初戦(2014年9月5日:0-2の敗北)で敗れたウルグアイとの激闘もある(2018 年10月16日:4-3の勝利)。

 この金星に貢献した堂安律、南野拓実、中島翔哉の2列目の3人は“三銃士”のニックネームを授けられるなど、現代表の看板となっていく。

 その後も無敗を維持したまま、1月にはアジアカップに出場。負傷の中島を除き、ベストメンバーで臨んだ日本は決勝まで勝ち進み、開催国カタールに敗れて準優勝に終わった。2大会ぶり5度目の優勝を目前で逃す結果となってしまったが、準決勝で域内最強と謳われたイランに完勝したり、計4得点で得点王2位タイとなった大迫勇也がエースらしい働きをしたりと、ポジティブな要素も少なくなかった。また以前は、優勝チームにコンフェデレーションズカップの出場権が与えられていたが、その大会自体が廃止されており、メリットを逃した喪失感もない。

 そして今年6月にはコパ・アメリカに招待された。南米王者を決める世界最古の主要国際大会に2度目の出場を果たした日本は、クラブとの兼ね合いもあり、東京五輪世代が中心となったチームで挑んだ。グループステージではチリ、ウルグアイ、エクアドルと対戦し、1分2敗の成績で早期敗退。ただし18歳の久保建英が公式戦にデビューしたり、ウルグアイ戦で三好康児が2得点を決めて引き分けに寄与したり、20歳の富安健洋がさらに成長した姿を披露したりと、複数の若者が今後に期待を抱かせた。