こうしたアイデアに共和党は嘲笑で応じ、民主党穏健派は困惑した表情を見せた。しかし、これらに代わる案は乏しい。

 これは米国の家庭のみならず、投資家にとっても由々しき事態だ。学費ローンはいわゆるミレニアル世代の消費や起業家活動、さらには世帯形成までも抑制し、経済の足を引っ張る要因になるからだ。

「我々は(学費ローンで)不動産バブルを上回るバブルを作ってきた」

 学生向けサービスを提供するチェグのダン・ローゼンズワイグ最高経営責任者(CEO)はそう指摘する。「このインパクトは、ほとんどの人の理解をはるかに上回る」

 政策対応が遅々として進んでいないのはなぜなのか。ザルーム教授は、有権者がつい最近まで、痛みを感じつつも叫び声を上げることをためらっていたのではないかと見ている。

 米国では家計の詳細を明らかにするのはタブーであるうえ、大学に通うことはミドルクラス(中間層)というアイデンティティーの典型的な特徴でもあるからだ。

「ほとんどの学生とその親はこの困難を、個人的・私的な問題だと見なしている」と教授は記している。

 学費ローン事業者の強力なロビー活動も改革を妨げてきた。加えて、学生の借金は少しずつ燃え上がるタイプの危機であり、メディアで大きく取り上げられる事件が起こることはめったにない。

 しかし、ウォーレン氏とサンダース氏が、ほかの政治家に反応を強いるような形でこの問題にスポットライトを当てた。