ロシアの高速鉄道「サプサン」(2018年3月6日撮影、写真:ロイター/アフロ)

 私ごとで恐縮だが、筆者はこの度、3度目のモスクワ駐在となった。

 前回のモスクワ駐在から10年以上が経っていることもあり、赴任してひと月あまりだが相変わらずのモスクワの変化の速度に驚くばかりである。

 日本にいる間も出張などでモスクワには年に数回通っていたこともあり、それなりにアップデートは重ねてきたつもりだった。

 しかし、モスクワの変化を実感するにはそれではまだ不十分だと改めて反省した次第でもある。

 特に、道路を含む交通インフラ、交通機関の変化が大きいと感じることが多い。今回はそれらの点について報告したい。

 モスクワ在住の方、頻繁にモスクワを訪れる方にとっては今さらな情報も多いと思われるが、そこは改めてのモスクワ初心者ということでご容赦いただきたい。

交通状況は改善傾向

 まず道路事情の変化である。相変わらずモスクワ市内中心部の移動では渋滞に悩まされることが多いものの、あるベテランドライバーによると、それでも状況は改善しつつあるという。

 その背景には2つの要因が考えられる。

 第1に、公共交通機関網の再整理である。特にバス路線の整備が著しい。

 聞くところによると、2018年のサッカーワールドカップ(さらには、そ前年のコンフェデレーションズカップ)の際に大きく整備され、ロシア語が分からない外国人にも使いやすいようになったとの声も聞こえる。